
「家具によく使われる木の素材って、無垢材以外にもいろいろあるみたいだけど、結局何がどう違うの?」
「同じ『木の家具』なのに、値段にすごく差があるのはなぜ?」
「ランバーコアってDIYでよく聞くけど、家具に使っても大丈夫なの?」
天然木の風合いと温かみを楽しめる、無垢材の家具。
でも実は、家具に使われる木の素材は無垢材だけではありません。
集成材、合板、パーティクルボード、MDF、ランバーコアなど、見た目は似ていても構造も強度も価格もまったく異なる素材が数多く存在します。
素材の違いをよく知らないまま選んで、後悔することになるのかな…
●
●
●
こんにちは、インテリアコーディネーター・二級建築士のエダです。
家具販売や住空間のコーディネートに携わるなかで、「素材の違いを知っているかどうか」で家具選びの満足度は大きく変わると実感してきました。
見た目だけでは判断しにくい部分こそ、建築士としての知識をお伝えしたいと思っています
この記事を書いた人
エダ|二級建築士・インテリアコーディネーター
木製家具専門のインテリアショップでの家具販売や、旅館・賃貸住宅のインテリアコーディネートなど、住空間と家具に長く携わってきました。
自身の子育てを通じて素材の違いを知らずに家具を選び、思わぬ失敗をした経験もあるからこそ、「買う前に知っておきたかったこと」をお伝えできればと思っています。
宅建士の夫とともに、子育て世代に向けた住まいと暮らしの情報を発信中です!
~この記事でわかること~
【素材の種類のはなし】
①木の家具は主に「無垢材」「集成材」「合板・パーティクルボード・MDF」「ランバーコア」の6素材に分類でき、早見表でまとめて比較できる
②DIYでも注目される「ランバーコア」は、合板・集成材とは構造がまったく異なる
●
【無垢材のはなし】
③無垢材の反り・割れは、湿度変化による木の「呼吸」が原因。エアコン・加湿器と1.5〜2m離すことである程度は予防できる
④色の変化は購入から1年で約70%が進行し、3〜5年で艶と風合いが定着する「経年美」
●
【素材ごとの強さのはなし】
⑤集成材には「無垢集成材」と「突板化粧集成材」があり、メンテナンス性が大きく異なる
⑥合板・パーティクルボード・MDFは、耐荷重も水濡れへの弱さも大きく異なるため、用途に応じた使い分けが重要
●
【選び方・お手入れのはなし】
⑦ランバーコアは軽量で反りにくく、子育て世帯には転倒リスクの低減というメリットも
【2026年版】建築士が解説|無垢材・集成材・ランバーコア、木の家具素材の選び方

【早見表】木の家具材料6種類を一覧で比較
木の家具に使われる素材は、主に「無垢材」「集成材」「合板」「パーティクルボード」「MDF」「ランバーコア」の6種類があります。
まずは、それぞれの特徴を早見表で確認しましょう。
| 素材 | 価格帯 | 強度・耐荷重 | 水濡れへの強さ | 傷・凹みへの強さ | 修復のしやすさ | 経年変化 | 重さ | 安全性 | 代表的な使用箇所 |
| 無垢材 | △ 最高値圏 |
◎ 樹種により差あり |
〇 湿度で反りやすいが崩壊はしない |
◎〜△ 樹種次第 |
◎ 研磨で何度でも修復可 |
◎ 経年美を楽しめる |
◎〜△ 樹種で大差(軽い針葉樹〜重い広葉樹まで) |
◎ 接着剤不使用 |
ダイニング天板・チェア・銘木家具 |
| 集成材 | 〇 中〜高価格帯 |
◎ 非常に高く均一 |
〇 屋内は安定(長期湿気で剥離注意) |
〇 樹種次第 |
〇 無垢集成材のみ研磨可 |
〇 継ぎ目の色差が出ることも |
△ 重い |
〇 F☆☆☆☆表示を確認 |
本棚・天板・階段踏み板 |
| 合板 | ◎ 安価〜最安値圏 |
◎ たわみにくい |
△ 24時間以上の水濡れでシミ・剥離 |
〇 表面材次第 |
△ パテ補修のみ |
△ 劣化のみ |
〇 中程度 |
〇 F☆☆☆☆表示を確認 |
背板・引き出し底板・下地材 |
| パーティクルボード | ◎ 安価〜最安値圏 |
△ たわみやすい |
△ 数時間の水濡れで膨張 |
〇 表面硬いが木口は弱い |
△ 交換のみ |
△ 劣化のみ |
△ 非常に重い |
〇 F☆☆☆☆表示を確認 |
カラーボックス・デスク天板芯材 |
| MDF | ◎ 安価〜最安値圏 |
△ しなりやすい |
△ 1時間程度の水濡れで膨張・崩壊 |
〇 表面硬いが木口は弱い |
△ 交換のみ |
△ 劣化のみ |
△ 極めて重い |
〇 F☆☆☆☆表示を確認 |
扉・前板・スピーカーボックス |
| ランバーコア | ◎ 低〜中価格帯 |
〇 中〜高(長尺はしなり注意) |
△ 木口から浸水しやすい |
△ 表面が傷つきやすく凹みやすい |
△ パテ補修のみ |
△ 劣化のみ |
◎ 極めて軽い |
〇 F☆☆☆☆表示を確認 |
可動棚・扉・カウンター芯材 |
※価格帯・耐荷重等は使用環境や製品グレードにより異なります
木の家具は主に「無垢材」「集成材」「木質系材料」「ランバーコア」に分類できる
木の家具(木質系家具)は、主に「無垢材」「集成材」「木質系材料」「ランバーコア」に分類できます。
無垢材家具と、それ以外の木製家具は、どんな点が違うの?
無垢材と間違えやすい木の種類には「集成材」「木質系材料」、そして近年DIYでも注目される「ランバーコア」があります
| 品質(変形やひび割れ) | 風合い・施工性 | 価格 | |
| 無垢材の家具 | ◎調湿機能に優れる
◎香りにリラックス効果や疲労抑制効果がある ▲乾燥による収縮に伴い、ひび割れや反り、曲がりが発生しやすい ▲樹種や生育年数などにより強度にばらつきがある |
◎滑らかな肌触りが楽しめる
◎自然の風合いを活かした仕上げ ◎化学物質を使わないため、健康障害のリスクが少ない ▲製作に手間がかかる。職人の技術で仕上がりが左右されやすい |
▲一定の樹齢を経た天然木から切りだす必要があり、加工に手間がかかるため価格は高め |
| 集成材の家具 | ◎節や割れ等を取り除いて人工的に作られるため、品質が安定している
◎同じ寸法同士の部材で比べると、無垢材より体積あたりの強度は高め ▲製造に高温処理がされるため、調湿機能や香りは無垢材より劣る |
◎仕上がりが職人の技術や経験に左右されにくい
▲無垢材ほどの風合いや高級感は得られにくい |
◎小さな木板を継ぎ合わせ、無駄なく自由な寸法の木材を製作できるので、コストが安価 |
| 木質系材料の家具 | ◎変形や割れが少なく、強度や品質が安定している
◎時間が経ても狂いが出にくい ▲製造に高温処理がされるため、調湿機能や香りは無垢材より劣る |
◎仕上がりが職人の技術や経験に左右されにくい
▲無垢材ほどの風合いや高級感は得られにくい |
◎材料費を安くあげられるので、製作コストが安価 |
| ランバーコアの家具 | ◎湿度変化による反り・ねじれが極めて少なく、寸法が安定している
▲芯材が柔らかいため、局所的な強い衝撃で表面が凹みやすい |
◎同じ厚みの無垢材や集成材より軽量で扱いやすい
▲表面は薄い単板のため、無垢材ほどの高級感や質感は出にくい |
◎軽量な芯材を使うため、厚みのある板を手頃な価格で導入できる |
無垢材の家具とは

無垢材は、1本の天然木を切り出してつくられた木材のこと。
木調シートや突き板を貼り付けている他の家具と異なり、天板の表面はもちろん、その中材も同じ天然木でできているのが特徴です。
無垢材は、人工的につくられたものではないため、ひとつひとつ木の表情が異なります
無垢材の家具のメリット
無垢材は天然木そのものなので、傷がついたり、経年劣化したりしても、自身でメンテナンスができます。
※オイル塗装仕上げやソープフィニッシュ仕上げに限ります
表面はもちろん、中身もすべて木でできているため、下地が見えたり、表面材が剥がれたりなど、見た目が著しく悪くなることがありません。
無垢材の家具の留意点
無垢材家具のなかには、ウレタン塗装が施されているものもあります。
ウレタン塗装は水気や汚れには強いのですが、一度傷がつくと自身での補修はできません。
そのため、製作元に修復を依頼することになるのが一般的です。
特に、やわらかい針葉樹(パインや杉など)の家具は、キズや凹みのリスクが高くなります
無垢材が「反り」「割れ」を起こすメカニズムと、具体的な予防策
無垢材って反ったり割れたりしやすいって聞くけど、そもそもなぜそうなるの?
無垢材は切り出された後も「呼吸」を続けており、周囲の湿度変化に応じて水分を吸放出しています。
湿度が上がると水分を吸収して膨張し、乾燥すると水分を放出して収縮。
この際、木の部位(表裏や心材・辺材)によって乾燥スピードや収縮率が異なるため、内部に引き合う力(収縮応力)が生じ、耐えきれなくなると反りや割れ(クラック)が発生します。
加湿器の蒸気やエアコンの温風・冷風が直接当たらないよう、1.5m〜2m以上離して配置するのが効果的です
反り・割れの予防策
直射日光が当たる窓際は、木肌の温度を急速に上昇させて水分を奪うため配置を避けましょう。
床暖房の上に直接設置する場合は、脚裏にフェルト等を挟んで熱伝導を抑制するのがおすすめです。
オイル仕上げの天板は、表面だけでなく裏面や木口(側面)にも均一にオイルを塗布することで、反りを防止しやすくなります
無垢材の経年変化。色の変化にはどれくらいの期間がかかる?
無垢材は紫外線による日焼けや空気中の酸素による酸化、木材成分(タンニンやリグニン)の化学反応によって色が変化します。
工業製品のような単なる劣化ではなく、使い込むほどに深みや艶が増す「経年美」として高い価値を持つのが無垢材ならではの魅力です。
だから無垢材家具って、古くなるほど味わいが出るって言われるんですね
実は購入から1年で、色の変化の約70%が進むといわれています。
その後3〜5年かけて、木肌の油分が馴染み、艶と風合いが定着していきます
| 樹種 | 購入時の色 | 3〜5年後の色 |
| ブラックチェリー | 淡いピンク | 深い赤茶色・琥珀色 |
| ウォールナット | 濃い黒紫色 | 透明感のある明るいブラウン |
| オーク・メープル | ナチュラルベージュ | 艶のあるハニーゴールド・飴色 |
注意ポイント
購入直後(特に最初の1年以内)に天板の一部だけラグやデスクマットを敷きっぱなしにすると、その部分だけ日焼けが進まず、くっきりと「敷き跡」が残ってしまいます。
無垢材家具、価格帯はどれくらいが目安?
無垢材家具の価格は、使用する樹種の希少性や、板の構造(1枚の大きな板から採る「一枚板」か、数枚を接ぎ合わせた「はぎ板」か)によって大きく変動します。
無垢材のダイニングテーブルって、だいたいどれくらいの予算を見ておけばいいの?
| グレード | 価格帯目安(4人掛け) | 特徴 |
| 量産型 | 10万〜20万円 | アルダー材・ラバーウッド材、節あり部材等の海外製 |
| はぎ板・専門店製 | 20万〜40万円 | ウォールナット・ブラックチェリー・オーク等の国産 |
| 一枚板 | 50万〜100万円以上 | 樹齢100年超の大径木から切り出した天板 |
チェア1脚あたりは2万〜4万円が標準的な価格帯。
テーブルとチェア4脚のセットなら、40万〜45万円が本格的な無垢材ダイニングセットの目安です
注意ポイント
極端に安価な無垢材家具は、乾燥処理(含水率管理)が不十分な場合があり、購入後に大きく歪むリスクがあります。
製材・乾燥工程が明記された、信頼できるメーカーを選びましょう。
●
●
●
無垢材は広葉樹か針葉樹かによって、特徴や表情が大きく異なる
無垢材の家具は、広葉樹(Hardwood)か、針葉樹(Softwood)によって、大きく特徴が異なります。
無垢材家具は、主に広葉樹が広く使われていますが、それぞれの違いをチェック!
樹種によって、そんなに強度って変わるものなんですか?
「気乾比重」という、木材の密度を示す数値をみると一目瞭然。
数値が高いほど組織が密で硬く、傷や凹みに強い傾向があります
| 樹種区分 | 樹種名 | 平均気乾比重 | 硬さ・強度の特徴 | 家具への適性 |
| 広葉樹(重・硬) | オーク(ナラ) | 約0.68〜0.76 | 非常に硬く、傷や凹みに極めて強い | デスク天板、耐久性重視のチェア、床材 |
| 広葉樹(重・硬) | ウォールナット | 約0.63〜0.68 | 重厚で適度な硬さと粘り・耐衝撃性 | 高級ダイニングテーブル、キャビネット |
| 広葉樹(中硬) | ブラックチェリー | 約0.55 | オークよりやや柔らかいが、滑らかでキズに強い | 高級家具全般、キャビネット |
| 広葉樹(中・やや軟) | アルダー/ラバーウッド | 約0.45〜0.65 | 比較的軽くて柔らかく、加工が容易 | カントリー調家具、キッズ家具、引き出し側板 |
| 針葉樹(軟) | パイン(松) | 約0.40〜0.50 | 柔らかく傷つきやすいが、肌触りが温かい | ローテーブル、学習机、キッズ家具 |
| 針葉樹(超軟・軽量) | スギ(杉) | 約0.36〜0.39 | 非常に軽くて柔らかく、凹みやすいが衝撃を吸収 | 折りたたみテーブル、ベンチ |
※比重は水=1.00を基準とした目安値です
注意ポイント
硬い広葉樹は傷に強く長持ちする反面、家具重量が増して持ち運びや模様替えが大変になり、肌触りが冷たく感じられやすい傾向があります。
頑丈さを重視する作業デスクか、柔らかさや軽さを重視する子供用家具か、用途に応じた素材選びが大切です。
広葉樹の代表的な樹種には、次のようなものがあります
広葉樹(ハードウッド)の特徴と主な樹種
広葉樹は、硬くて強度があり、傷がつきにくいのがメリット。
一方で、重さがあるため、持ち運びに手間がかかるという一面も。
●
●
●
ナラ(ジャパニーズオーク)材・ホワイトオーク材
この2つの樹種は、ウイスキー樽や船舶にも使用されるほど、耐水性に優れているのが特徴。
なかでもナラ材を代表するミズナラは、はっきりした年輪と「虎斑(とらふ)」とよばれる、虎の体のような縞模様が魅力。
一方で、膨張や収縮を繰り返すうち、使用環境によっては割れやすくなる一面があります。
ミズナラの家具は、年月が経つにつれて黄色みが増し、少しずつ飴色に変わっていきます
ホワイトオークは、ナラと同じブナ科の植物ですが、ナラ材より重みがあります。
湿気や害虫に強く、屋外での使用にも耐えられるほどの耐久性が魅力。
木目は直線的で、ナラ(ジャパニーズオーク)より、やや木目は荒め(幅広)。
年月が経つと、少しずつ白っぽさが消え、落ち着いたベージュ系色に変化していきます
●
ハードメープル・ソフトメープル材
衝撃や摩擦に強い特性があるため、ボウリング場の床やダンスフロアなどにも活用されています。
波や鳥の目のような木目が特徴で、明るくて優しい色味が特徴。
ソフトメープルも一定の硬さがありますが、ハードメープルと比べると柔らかめ。
カラーは明るい灰白色で、心材はやや赤みがかかっています。
ハードメープル、ソフトメープルとも、経年変化で褐色に変化していきます
●
ブラックウォールナット材
重くて丈夫なウォールナットは、反りやねじれが起こりにくいのが特徴。
傷や凹みに強く、衝撃性に優れているほか、温度や湿度の影響による狂いも少なめ。
木目は細い線から、次第にはっきり目立つようになっていきます。
濃い色合いですが、汚れやシミが目立ちやすい点に注意が必要。
はじめは黒や紫系の濃色ですが、少しずつ色が抜けていき、明るい色味に変化していきます
●
ホワイトアッシュ材
適度な堅さと弾力性があり、衝撃性や耐久性に優れているのが特徴。
頑丈で傷がつきにくいので、子どもやペットがいる家にも人気の樹種です。
木目はくっきりとしていて、節が出にくいのが特徴。
経年変化は少なめですが、少しずつ黄色味が強く、やがて色が濃くなっていきます
●
●
●
針葉樹(ソフトウッド)の特徴と主な樹種
針葉樹は柔らかく、肌触りがいいのが特徴。
軽くて、持ち運びがしやすい点もメリットです。
一方で、傷や凹みがつきやすいという特性があります。
針葉樹の代表的な樹種をご紹介します
●
●
●
スギ材
スギ材は軽量で扱いやすく、狂いやねじれが比較的少ないのメリット。
木目は、規則性のある直線的なラインが特徴です。
防水性に優れており、水気や湿気の多い環境での使用も問題ありません。
デメリットは、凹みや傷がつきやすい点が挙げられます。
もともと黄みや赤みが強い樹種ですが、経年変化でさらに濃い色合いに変わります
●
ヒノキ材
ヒノキ材は浴槽に使われるほど、水気や湿気に強いのが特徴。
ヒノキチオールと呼ばれる独特の香りが楽しめ、防虫効果が高いことでも知られています。
まっすぐ流れる柾目の木肌の美しさは、節を含めて美しく、適度な光沢感もあり。
お値段はやや高めですが、長く維持できるので費用対効果に優れているといえます。
はじめは白に近い色合いですが、じょじょに褐色(飴色)に変化していきます
●
パイン材・マツ材
パイン材は一定の柔らかさがあり、断熱性や衝撃吸収性に優れています。
木目はナチュラルですが、節は多め。
一方で傷や凹みがつきやすく、取り扱いには注意が必要。
はじめは薄く黄色みがかった色ですが、次第に飴色(褐色)に変化していきます
無垢材家具は子どもに大きく3つのメリットがある

子どもがいる家に無垢材家具をとりいれると、大きく3つのメリットが期待できます
メリット① シックハウス症候群のリスクが低く、アレルギーを持つ子どもも安心して使える
無垢材家具は、アレルギーを持つお子さんやペットがいる環境でも、安心して使えます。
無垢材家具は天然木が使われているため、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった、接着剤や塗料に含まれる揮発性有機化合物を放出する心配がありません。
めまいや頭痛、喉の痛みなどを引き起こすシックハウス症候群のリスクが低ければ、気密性が高い住宅でも安心して使うことができますよね。
小さい子どもが毎日触れる家具は特に、化学物質を含むリスクが低い無垢材家具が安心
メリット② ひとつの家具を長く愛着を持って使うことの大切さを学べる
無垢材家具を使うことで、子どもに「家具を大切にする心」を育みやすくなります。
無垢材の家具は定期的にお手入れをすることで、長く使い続けることができます。
大人が家具を大切に扱い、丁寧にお手入れする様子を見せることで、ものを大切に使うことの大切さや家具への愛着心が、子どもにもきっと芽生えるはず。
無垢材家具についた傷も、家族にとっての良い思い出や味となります
メリット③ 自然のままの風合いや質感に触れ、天然木の良さを体感できる
子どもが無垢材家具を使うことで、天然木の特性を身をもって体感することができます。
人工的に作られた木材の家具とは異なり、天然木は自然のままの風合いや質感を存分に感じれるのが魅力。
ひとつひとつ異なる木目や色の経年変化など、自然がおりなす造形美は、人工的につくられた家具では再現することができません。
天然木の質感や風合いに毎日触れることで、本物の木の良さを子どもに伝えることができます
●
●
●
無垢材家具を「選ぶとき」と「買ったあと」。この3点に注意!

無垢材家具を選ぶ際は、下記3つのポイントに留意しましょう
留意点① 無垢材家具に使われている塗料や接着剤を確認する
無垢材とうたっていても、輸入木材を使っている家具の場合は、より注意が必要です。
海外産の木材は長時間の輸送に耐えるため、防虫剤や防腐剤が塗布されているケースがあります。
シックハウス症候群の原因となる化学製品が含まれていると、健康に害が出る可能性がありますよね。
小さい子どもやペットがいるご家庭では、塗料や接着剤の種類を必ず確認しましょう
留意点②無垢材家具にシミや汚れがつきにくいよう、水濡れ対策やお手入れ方法を検討する
子どもがまだ小さく、食べこぼしや飲みこぼしの心配があるうちは、普段から水濡れ対策やこまめなお手入れを検討したいもの。
無垢材家具は、一度水分や汚れがつくと内部まで浸透しやすく、シミや汚れがついたり、変色したりする可能性が高いです。
「食事の際はランナーを敷く」「飲み物を置く際はトレーを使う」など、無垢材家具をそれらのリスクから回避するよう配慮しましょう。
特に購入後の最初の半年間は、2~3ヶ月に1回はオイルメンテナンスをするのが理想。
水ジミがつきにくくなり、普段のお手入れが一層楽になります
留意点③ 無垢材家具は、直射日光が当たる場所や冷暖房器具のそばを避けて配置する
無垢材家具は、直射日光が当たる場所や、冷暖房器具のそばを避けて設置しましょう。
無垢材家具は、湿度の変化により変形、あるいは変色する可能性が高い性質があります。
長時間日があたる場所や、クーラーやヒーターの近くに置いてしまうと、徐々に歪みが発生し、場合によっては、ひび割れが起きてしまったりすることも。
日当たりのいいお部屋に配置する際は、窓際を避けるなどの工夫をしましょう
●
●
●
オイル仕上げの無垢材家具「普段のお手入れ」と「しっかりしたお手入れ」方法

自身でお手入れができるのは「オイル仕上げ」の無垢材家具のみ
無垢材家具の仕上げは、主に「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」があります。
そのうち、自分自身でお手入れができるのは、植物性オイルを木に浸透させる「オイル仕上げ」の無垢材家具のみ。
「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違いや、具体的なおすすめの自然塗料を詳しく知りたい方は、下の記事もぜひ参考にしてください
-
-
【2026年版】建築士が解説|木製テーブルはウレタンとオイル、どっちがいい?
"安らぎ"や"落ち着き"など、子どもへの心理的効果に良い影響を与えるといわれる木の家具。 木の家具の代表的なものに「テーブル」が挙げられますが、この塗装(仕上げ)には、いろいろな種類があることをご存じ ...
続きを見る
【普段のお手入れ①】オイル仕上げの無垢材家具は普段は乾拭きでOK
無垢材家具(オイル仕上げ)の普段のお手入れは、ホコリや汚れを取り、水を固く絞った布で拭くだけ。
家具の表面を拭いたら、無垢材の表面に水気が残らないよう注意しましょう。
水気が残るとシミの原因になるので、最後は必ず乾拭きするのを忘れずに
【普段のお手入れ②】汚れが落ちにくい際は中性洗剤を薄めて拭き取る
無垢材家具(オイル仕上げ)の汚れが落ちにくい場合は、中性洗剤を少し薄めた液体に布類を浸し、固く絞ってから拭き取りを。
その後は、しっかり家具の表面を乾燥させましょう。
きっと使ったことがあるはずのウタマロも、家具や壁紙、床材などに使えます(↓)
それでも汚れが目立つ場合は、下記の手順を参考にしてください
【しっかりしたお手入れ①】取れない汚れやシミはサンドペーパーで対応
無垢材家具の汚れが目立つ場合は、サンドペーパーの使用を検討しましょう。
ただしその際は部分的でなく、家具の表面を全て同じ様に削る必要があります。
無垢材家具の樹種にもよりますが「100~120番」のサンドペーパーがおすすめ。
その後「240~400番」の仕上げ用サンドペーパーで、木目に沿って研磨していきます。
研磨後は、布類で汚れやホコリを取り除き、木の表面を乾燥させましょう。
木の表面が濡れていると、その後で塗り込むオイルがしっかり浸透しません
【しっかりしたお手入れ②】オイル塗布後はすぐに拭き取って乾燥させる
サンドペーパーで木の表面の汚れやシミを取り除いたら、オイルやワックスを使ったお手入れにすすみます。
その際、必ず木目に沿いながら、オイルやワックスを薄く塗り広げていくのがコツ(塗りすぎ注意)。
無垢材家具の木口部分も忘れずに塗り、その後、新しい布(ウエス)でしっかり拭き取りを。
その後最低24時間程度は、塗布部分に触れないようにしましょう。
完全にオイルやワックスが乾燥するまで、家具の状態や使用環境にもよりますが、1週間程度はかかります。
オイルが完全に乾くまでに使う場合は、クロス類を敷いて対応するのがおすすめ
【しっかりしたお手入れ③】使用後の布類は、必ず水に浸してから処分する
意外に忘れがちなのが、使用後の布(ウエス)の処理方。
オイルやワックスが染み込んだ布(ウエス)は、そのままゴミ箱等に捨てず、必ず水に浸してから処分しましょう。
なぜなら、布(ウエス)や軍手、刷毛などをそのまま放置すると熱を持ち、やがて自然発火する危険があるからです。
あらかじめ水を入れたバケツを用意しておき、布(ウエス)を浸した後、濡れたままの状態でビニール袋に入れてから処分しましょう。
【しっかりしたお手入れ④】オイル仕上げの無垢材家具は、年に数度のお手入れが理想
オイル仕上げの無垢材家具は、こまめにお手入れするのが理想。
お手入れの頻度は、使用環境や家具の状態によって変わりますが、特に購入したての最初の半年間は、2~3ヶ月に1回オイルを足すことで、より美しさを保ちやすくなります。
無垢材家具は、油分が不足してしまうと木の表面が毛羽立ち、反りや割れの原因になりがち。
無垢材は乾燥に弱いので、冬の乾燥する時期の前(秋頃)と、梅雨前(5月頃)の時期を選ぶのが効果的。
梅雨の前が最適なのは、湿度が高くなるとオイルが乾きづらくなるのが理由です
●
●
●
無垢材家具のお手入れ「オイルタイプ」と「ワックスタイプ」の違いとは
無垢材家具のお手入れには、オイル、またはワックスのいずれかが使われることがほとんど。
どちらも浸透系かつ植物性油脂を原料としていますが、仕上がりや手触り感に、若干の違いがあります。
オイルタイプの特徴
オイル(液体)タイプは、ワックスよりも油分の割合が多いのが特徴。
もともとの木地(表面)の状態を残しつつ、木の内部まで浸透するため、濡れ感のある仕上がりになります。
一方で液体タイプのため、塗りすぎによるムラが出やすい点に注意しましょう。
濃色系&木目がはっきりとでる樹種(ブラックウォールナット、オークなど)と特に相性抜群
ワックスタイプの特徴
ワックス(半固形)タイプは、ロウなどのワックス成分を多く含むのが特徴。
木の内部にそれほど浸透せず、木の表面に薄い塗膜をつくります。
オイルタイプほどの濡れ色にはならず、耐水性に優れているのがメリット。
一方で、オイルタイプと比べると定着性が弱く、短いスパンでメンテナンスが必要になります。
ワックスタイプは、薄い色味の樹種(ホワイトアッシュ材やメープル材など)におすすめ
●
●
●
集成材の家具とは

集成材は、板材や小角材などを加工して作られたもの。
繊維方向を平行に揃え、厚み、幅、長さ方向に集成、接着をした木質材料です。
集成材は大きく2種類あり、そのうち家具製作に用いられるものを「造作用集成材」とよびます。
造作用集成材は、壁や床、階段など、建物の内装にも使用されています
集成材の家具のメリット
集成材を使った家具は、一定の強度を保ち、品質が安定しているのがメリット。
湿気による、反りや曲がりなどの心配はほぼありません。
集成材の家具の留意点
集成材の家具は、天然木ほどの自然本来の質感や、木目の味わいを期待することはできません。
また、経年劣化により接着剤が剥がれやすくなるなど、無垢材より耐用年数が短くなることも。
集成材に使われる接着剤は、安全基準が設けられていますが、シックハウス症候群の可能性もゼロとはいえません
集成材の接合方法「フィンガージョイント」と「巾剥ぎ」の違い
集成材の表面を見ると、木目にギザギザの継ぎ目があるものと、すっと通った木目のものがある気がします…
集成材は、木材から節や割れなどの欠点部分を取り除いた小角材・短冊状の木片(ラミナ)を、繊維方向を揃えて接着・圧着して作られます。
このときの接合方法には、大きく2種類あります。
「フィンガージョイント」と「巾剥ぎ(幅はぎ)」という、2つの接合方法があります
| 接合方法 | 特徴 | 見た目への影響 |
| フィンガージョイント(縦方向) | 接合面を指を組むようにギザギザ形状にカットして接着。接着面積が広く、強度が安定 | 継ぎ目のギザギザ模様が見える |
| 巾剥ぎ(幅はぎ・横方向) | 長さ方向には継ぎ目を入れず、幅方向のみを接着 | 縦にすっと通った美しい木目を活かせる |
注意ポイント
フィンガージョイント材にオイル塗料などの浸透性塗料で着色すると、縦方向の接合部のギザギザ(指状の継ぎ目)が目立つことがあります。
木目の美しさ・意匠性を重視する場合は、「巾剥ぎ材」の選定がおすすめです。
集成材にも種類がある。「無垢集成材」と「突板化粧集成材」の違い
集成材といっても、見た目や質感が違うものがある気がします…
集成材には、「無垢集成材」と「突板(化粧)集成材」という2つのタイプがあります
無垢集成材(巾剥ぎ含む)は、木片をそのまま接着して板にしたもので、質感や風合いは無垢材に一番近く、研磨や再オイル塗装などのメンテナンスが可能です。
一方突板(化粧)集成材は、集成材や木質ボード(MDF等)を基材とし、表面に天然木を薄くスライスした「突板(つきいた)」(約0.2mm〜0.6mmの薄さ)を貼り合わせたもの。
無垢材同様のリアルな木目・風合いを表現しつつ、反りや割れのリスクとコストを同時に抑えられます。
注意ポイント
突板化粧集成材は、強い打撲や深いキズがついた場合に下地の基材が見えてしまい、無垢材のように削って直す修復が難しい点に注意が必要です。
住宅の柱や梁に使われる「構造用集成材」はJAS規格で厳格な強度管理がされていますが、家具や天板に使われるのは「造作用集成材」。
加工性や美観が重視されています
集成材の接着剤は安全?「F☆☆☆☆」など安全基準を確認しよう
集成材や合板等の加工木材は、製造過程で接着剤を使用します。
そのため、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放散量に応じた、JAS/JIS安全基準が定められています。
F☆☆☆☆ってよく見かけるけど、他にも種類があるんですか?
| 等級 | ホルムアルデヒド放散量 | 室内使用 |
| F☆☆☆☆(エフ・フォースター) | 平均0.3mg/L以下 | 制限なし(最高等級) |
| F☆☆☆ | 平均0.5mg/L以下 | 使用面積に制限あり |
| F☆☆ | 平均1.5mg/L以下 | 使用面積に制限あり |
現在市販されている主要な建材用集成材や木質ボードの多くは、厳格な管理のもとF☆☆☆☆認定を取得しています
注意ポイント
子育て世帯やアレルギー体質の方が家具を購入・DIYする際は、必ず「F☆☆☆☆」マークの表示を確認しましょう。
トルエンやキシレン等を対象とした「4VOC放散基準」の適合マークも、あわせてチェックしたい指標です。
集成材家具の耐用年数はどれくらい?
屋内の家具や什器、造作材として使用した場合、集成材の耐用年数は目安として15年〜20年程度。
適切な塗装・お手入れによって、数十年以上維持できるケースもあります。
ただし集成材は基本的に屋内専用材。
水濡れや多湿環境が続くと、接着層が加水分解を起こし、剥離するリスクがあります
注意ポイント
屋外に放置しブルーシート越しに雨水や湿気が溜まった環境では、約半年で接着層が完全に剥離してバラバラになった事例もあります。
屋外等で使用する場合は、屋根のある場所への設置や耐水塗装処理が必須です。
●
●
●
木質系材料(合板・パーティクルボード・MDF)の家具とは

ラワン合板のダイニングテーブル
木質系材料とは、小さな木のかけらを原料とし、接着剤を添加して本物の木のように見せたもの。
代表的なものに「合板」「パーティクルボード」「MDF」の3種類があり、構造や特性が大きく異なります。
木質系材料って一括りにされがちだけど、実は種類によって全然違うんですか?
はい。規格・密度・耐荷重・水への強さまで、それぞれ明確に異なります
合板とは

合板(プライウッド)は、丸太をカツラ剥きにした薄い「単板(ベニヤ)」を、木の繊維方向が1枚ごとに交差(直交)するように奇数層重ねて圧着したパネル材です。
木そのものの性質が出やすいため、JAS(日本農林規格)に分類されます。
単板の繊維方向を交互に積層しているため、木質ボード類の中では最もたわみにくく、高い曲げ強度と耐荷重を持ちます
合板の家具のメリット
普通合板の表面に、1mm以下まで薄くスライスした天然木を貼った「天然木化粧合板」など、いろいろな種類があります。
単板を直交に貼り合わせているので、膨張や収縮のリスクが少ないのがメリット。
経年劣化による割れや反りが出にくく、無垢材より強度は高め。
合板製の家具は、熱を通しにくいという性質もあります。
合板の家具の留意点
木質系材料(合板)の家具は、傷や凹み、シミが付いてしまうと補修が難しいため、それらが目立つようになった場合、買い替えが必要になります。
また、水気や湿気がつくと変色しやすいのも、合板家具のデメリット。
合板って水に濡れたらどれくらいでダメになるんですか?
水濡れ放置が24時間以上続くと、単板層間に水が浸入して黒ずみシミが発生。
数日間の湿気放置では、接着層が加水分解を起こして層間剥離が進行します
合板家具に使われている接着剤の成分によっては、健康に害を及ぼす可能性が。
特に小さな子どもや高齢の方、アレルギーを持つご家族がいる場合は注意しましょう
パーティクルボードとは

パーティクルボード(削片板)は、木材の解体材や端材などを細かく砕いた「切削チップ(小片)」に、接着剤やパラフィンワックス(耐水・離型剤)等を混合し、加熱圧縮成型した木質ボードです。
JIS A 5908に分類され、表面に細かいチップ、中心部に粗いチップを配置した多層構造を持ちます。

原料構成比は木材チップ約85%、接着剤約12%、パラフィンワックス約3%です。
面としての剛性や遮音性・断熱性に優れますが、スパン(間口)が広い棚板に使うと、自重と荷重で中央が垂れ下がりやすいのが弱点です
注意ポイント
水滴や水溜まりを数時間放置するだけで、木口から吸水して厚みが10%〜20%以上も急激に膨張します。
一度膨張すると、乾燥しても元の厚みには戻りません。
MDF(中密度繊維板)とは

MDFは、木材チップを解繊し、紙の原料に近い「植物繊維(ファイバー)」レベルまでバラしてから接着剤を加えて乾式で熱圧成型した繊維板です。
JIS A 5905で定義され、木目や節がなく、表面から切断面(木口)まで密度が高く緻密で均一なのが特徴です。

MDFって、合板やパーティクルボードと比べて特に弱い部分ってあるんですか?
水への弱さは3素材の中で最も顕著です。
繊維が超微細なため、毛細管現象で一気に水を吸い上げてスポンジ状に肥大化・膨張します
注意ポイント
コップ1杯の水をこぼして1時間以上放置、あるいは湿度80%以上の環境に数週間置かれるだけで、吸水・スポンジ状肥大化が進行。
水を含んだ部分は黒褐色に変色し、指で崩せるほど強度が低下します。
合板・パーティクルボード・MDFの耐荷重を比較
3つの素材は、同じ厚み・同じ間口の棚板として使った場合でも、耐荷重に大きな差があります。
板厚20mm・スパン900mmの棚板で比較すると、合板が最も丈夫で、MDFが最も軽荷重向きという結果になります
| 素材 | 耐荷重の目安(板厚20mm・スパン900mm) | おすすめの使用箇所 |
| 合板 | 約30kg〜40kg | 本棚の棚板や下地材など、荷重が大きい箇所 |
| パーティクルボード | 約15kg〜20kg | テレビ台本体、短尺カラーボックスの棚板 |
| MDF | 約10kg〜15kg | 家具の扉・前板など、軽荷重の部位 |
注意ポイント
間口1mを超える長尺の本棚や、重いものを載せる棚にパーティクルボードやMDFを採用する場合は、中央に「受け木」や「補強金物」を設置しないと著しいたわみの原因になります。
●
●
●
【徹底解説】ランバーコアとは?合板・集成材との違いから選び方まで

DIYや家具選びで「ランバーコア」という言葉を見かけて、「無垢材や合板と何が違うの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
ランバーコアって名前は聞いたことあるけど、実際どんな素材なのか分からなくて…
ランバーコアは「軽さ」と「反りにくさ」を兼ね備えた、家具選びの意外な穴場素材です。
構造から使い方まで、詳しく解説していきます
ランバーコアの構造。合板・集成材とは何が違う?

ランバーコア(ブロックボード)は、ファルカタ材などの軽量な角材・小角材(ブロック状の木片)を隙間なく並べた「芯材(コア)」を、薄いベニヤ板(合板)で表裏からサンドイッチした3層または5層構造の木質パネルです。
JAS(日本農林規格)では「特殊コアー合板(ランバーコアー合板/ブロックボード)」に分類されます。
見た目は合板に似ている気がしますが、中身が違うということですか?
一般的なベニヤ合板は、薄い単板を繊維方向が交互(直交)になるよう何枚も重ねて圧着したもので、強度は高いものの板全体が木層のため重くなります。
一方ランバーコアは、中身が厚みのある軽量な木片のため、厚みのわりに非常に軽量という違いがあります
集成材は小片(ラミナ)の繊維方向を平行に揃えて接着・一体化させた密な木質材料。
頑丈ですが、ランバーコアに比べると格段に重くコストも高くなります
注意ポイント
ランバーコアを選ぶ際は、内部が空洞ではなく角材が隙間なく詰まっている「ベタ芯構造」であることを確認しましょう。
中身の芯材(ファルカタ、桐、ラワン等)や表裏の表面材(シナ、ラワン、ポリ、突板等)によって、特性や意匠性が変化します。
厚み・規格の目安と、家具での用途分け
ランバーコアにも厚みの種類があるんですか?
家具やDIY分野で需要が高い一般的な厚み規格として、15mm・18mm・21mm・24mm・30mmなどがあります。
15mm厚は、引き出しの側板・底板、小さめの棚板、扉など、小規模な造作に多用されます
24mm厚は、本棚の固定棚、テレビ台、デスク天板など、荷重がかかる主要構造部やスパンの広い部分によく選ばれる、需要の高い厚みです
注意ポイント
カット加工や取り回しの際、表示寸法に対して±5mm程度の製造誤差が生じることがあります。
精密な家具の設計時には、必ず現物計測を行いましょう。
強度・耐荷重は集成材と比べてどう?
木の密度が均一で詰まっている集成材と比較すると、ランバーコアは芯材に柔らかいファルカタ材等を使用しているため、極端な曲げ強度や圧縮強度はやや劣ります。
ただし、小角材を組んで両面から合板で挟む積層構造により、縦方向への荷重や反りには強く、自重による垂れ下がりが起きにくい特性を持ちます。
棚板として使う場合、どれくらいの重さまで耐えられるんですか?
| 厚み | 耐荷重目安(間口910mm・2方受け) |
| 15mm厚 | 10〜30kg |
| 20mm厚 | 25〜85kg |
| 27mm厚 | 105〜185kg |
※メーカーの測定目安値です
高い荷重がかかる箇所には厚み24mm〜30mmを選ぶか、裏面に補強受け(受け木)を設置しましょう
注意ポイント
間口が1m(1000mm)を超える長尺の棚板にする場合や、中央に集中荷重がかかる場合は、集成材よりも中央がたわみやすくなります。
スパンを短くするか、補強材を入れて対応しましょう。
ランバーコアのメリット|軽量性・反りにくさ・コスパ
ランバーコア最大の魅力は、「軽さ」「寸法安定性」「コストパフォーマンス」の3つです
芯材に使用されるファルカタ材は、気乾比重が約0.30と非常に軽いため、同じ厚みの無垢材・集成材・ベニヤ合板の約3分の2の重さで扱いやすいのが特徴です。
パーティクルボードやMDF等と比較すると、30%以上の軽量化を実現しています。
また、乾燥処理された小角材を組んで構造的なバランスをとっているため、湿度や温度変化による反り・ねじれ・狂いが極めて少ないのも大きな利点。
同等の厚みを持つ無垢材や集成材、全面積層合板に比べて材料・製造コストが抑えられ、手頃な価格で導入できます。
軽くて反りにくくて安いなんて、いいことづくめに聞こえます!
ただし、良いことばかりではありません。
続けてデメリットもお伝えします
ランバーコアのデメリット|高級感・木口処理・耐水性
表面は薄い単板(シナ・ラワンベニヤ等)のため、本物の無垢材家具が持つ立体的な木目や重厚な質感・風合いには及びません。
また、カットすると中の木片の継ぎ目や隙間が露出(木口・小口)して見栄えが悪くなるため、化粧処理の手間がかかります。
芯材の継ぎ目や密度の低い部分にビスが当たると保持力が低下する場合があり、極端に細いカットや複雑な曲面切削加工には向きません。
また基本的に耐水性は低く、水濡れ放置で木口から浸水し表面剥離を起こすリスクがあります。
カットした断面って、そのままだと見た目が悪いんですか?
その通りです。
専用エッジテープ(シナロールテープ、ポリロールテープ等)による化粧貼り仕上げが必須になります
注意ポイント
芯材の継ぎ目や密度の低い部分にビスが当たると保持力が低下する場合があり、極端に細いカットや複雑な曲面切削加工には向きません。
また基本的に耐水性は低く、水濡れ放置で木口から浸水し表面剥離を起こすリスクがあります。
家具・インテリアでの主な使用箇所
ランバーコアは「見えない中身(芯材)」として使われることが多い素材です
表面にメラミン化粧板や天然木突板を貼り付けて使用するテーブルやカウンターの中身(基材)のほか、板が軽いため蝶番や金物に負担をかけにくい建具・扉・間仕切り(パーテーション)、軽さを活かした引き出しの側板・底板、反りにくくビス留めがしやすい本棚・可動棚の棚板など、幅広く使われています。
可動棚・収納庫扉・引き出し部には厚み15mm〜20mm、重荷重棚板・デスク天板芯材・大型カウンターには厚み24mm〜30mmが推奨されます
注意ポイント
水がかかる場所や高湿度環境で使用する場合は、耐水性のあるポリランバーや表面塗装品(UV・ウレタン塗装等)を選びましょう。
子育て世帯にとってのランバーコアのメリット
軽いということ以外に、子育て世帯にとって何かメリットはありますか?
軽さそのものが、子育て世帯にとって安全面のメリットになります
重い無垢材やMDF製家具と比較して家具全体を軽量に作れるため、万が一の地震や子どもがよじ登って家具が転倒した際の打撲・下敷き事故の衝撃を小さく抑えられます。
また、子どもの成長に合わせて本棚や収納棚の高さ変更(可動棚の移動)をする際も、板自体が軽いため手滑りによる落下事故を防ぎやすく、保護者や子ども自身でも安全に作業できます。
棚の高さ調整、子どもと一緒にやっても安心そうですね
化学物質対策としては、最高安全基準のJAS/JIS認定品(F☆☆☆☆)を選ぶことで、小さな子どもがいる家庭でも安心して設置できます
注意ポイント
家具の購入やDIY時には、必ず「F☆☆☆☆」表示を確認してください(F☆☆☆以下は室内使用面積に制限があります)。
また、子どもがぶつかった際のケガを防ぐため、角部には面取り加工(R加工)を施すことをおすすめします。
軽くて反りにくいランバーコアは、子ども部屋の可動棚やDIY収納にぴったりの素材といえます
●
●
●

~この記事のまとめ~
【素材の種類のはなし】
①木の家具は主に「無垢材」「集成材」「合板・パーティクルボード・MDF」「ランバーコア」の6素材に分類でき、早見表でまとめて比較できる
②DIYでも注目される「ランバーコア」は、合板・集成材とは構造がまったく異なる
●
【無垢材のはなし】
③無垢材の反り・割れは、湿度変化による木の「呼吸」が原因。エアコン・加湿器と1.5〜2m離すことである程度は予防できる
④色の変化は購入から1年で約70%が進行し、3〜5年で艶と風合いが定着する「経年美」
●
【素材ごとの強さのはなし】
⑤集成材には「無垢集成材」と「突板化粧集成材」があり、メンテナンス性が大きく異なる
⑥合板・パーティクルボード・MDFは、耐荷重も水濡れへの弱さも大きく異なるため、用途に応じた使い分けが重要
●
【選び方・お手入れのはなし】
⑦ランバーコアは軽量で反りにくく、子育て世帯には転倒リスクの低減というメリットも
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
-
-
【2026年版】建築士が厳選|子どもに安心の楕円・丸ダイニングテーブル10選
赤ちゃんや小さいお子さんがいる時期は、飲み物を倒したり、食べこぼしをしたりと、食事のたびにテーブルの汚れが気になりやすいもの。 また、赤ちゃんがテーブルの脚や天板に体重をかけるようになったり、テーブル ...
続きを見る
-
-
【2026年版】建築士が解説|木製テーブルはウレタンとオイル、どっちがいい?
"安らぎ"や"落ち着き"など、子どもへの心理的効果に良い影響を与えるといわれる木の家具。 木の家具の代表的なものに「テーブル」が挙げられますが、この塗装(仕上げ)には、いろいろな種類があることをご存じ ...
続きを見る
-
-
【2026年版】建築士&IC厳選|熱・傷に強いセラミック&メラミンダイニングテーブル10選
お子さんが小学校高学年くらいになると、食卓の景色がぐっと変わってきますよね。 大人と同じ量を食べるようになり、お皿は大きく、種類も一気に増えるもの。 ナンをカレーにつけたり、お好み焼きにソースをかけた ...
続きを見る







