「未就学児がいるので、掃除が簡単な木製テーブルがほしい。どんな塗装仕上げがおすすめ?」
「メンテナンスしながら長く使える、木製テーブルを探しているんだけど…」
「どんな塗装なら、傷や汚れに強いの?」
”安らぎ”や”落ち着き”など、子どもへの心理的効果に良い影響を与えるといわれる木の家具。
木の家具の代表的なものに「テーブル」が挙げられますが、この塗装(仕上げ)には、いろいろな種類があることをご存じですか?
”塗装の特徴”を知らずに選ぶと、どうなるの?
塗装の種類を気にせずにテーブルを選ぶと、お子さんが小さいうちはテーブルの汚れ対策でストレスがたまったり、自身での修復ができないため後々買い替えることになったりと、さまざまなリスクを抱える可能性があります。
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こんにちは、インテリアコーディネーター・二級建築士のエダです。
結婚すぐ購入した無垢材の木製テーブルを、出産後も使い続けた結果、子どもの食べこぼしやミルクのこぼれが想像以上。テーブルにシミがこびりつきました。
あの頃は精神的にいっぱいいっぱいで、食事のたびにハラハラすることに…
そのため、お気に入りだったテーブルを一時的に撤去。
お手入れが楽なテーブルに変えたところ、食事や子どもの遊びを、以前よりおおらかな気持ちで見守れるようになりました。
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この記事は、これから木製テーブルを買う、小さいお子さんを子育て中の方向け。
毎日の暮らしが楽になる、木製テーブルの塗装の選び方がわかります。
結論
- お手入れの楽さを優先するなら「ウレタン」「UV」がおすすめ
- ひとつのテーブルを長く使うなら「オイル」「ソープフィニッシュ」がおすすめ
- 傷や汚れに強いのは「ウレタン」「UV」「ポリエステル」。そのうち最もコスパが良いのは「ウレタン塗装」
この記事でわかること
- 木製家具の塗装種類は、主に6種類ある
- ウレタン塗装は食べこぼしや飲みこぼしに強いが、傷がついたら自身で修復できない
- オイル塗装は定期的にお手入れをすれば20年以上使えるが、水ジミなどの跡が残りやすい
- UV(紫外線)塗装は防汚・防菌性に優れるが、傷がついたら自身での修復は不可
- ポリエステル塗装は食べこぼしや飲みこぼしに強いが、高価な家具が多い
- ラッカー塗装は傷が汚れがつきにくいが、ウレタンほどの強度はない
- ソープフィニッシュ仕上げは定期的なメンテナンスで長く使えるが、オイル仕上げよりもシミ跡や汚れが残りやすい
目次
後悔しない塗装種類の選び方|今から木製テーブルを買う子育て世代必見
木製家具の塗装6選の比較表
木製家具に使われる塗装は、主に「ウレタン」「オイル」「UV(紫外線)」「ポリエステル」「ラッカー」「ソープフィニッシュ」仕上げの6種類があります。
現在子育て中で、これから木製テーブルを買うなら「汚れのつきやすさ」「お手入れにかかる手間と頻度」「一時的に使うテーブルか、長く使うテーブルか」をふまえて選びましょう
塗装別のメリットとデメリット
塗装の種類 | 価格の目安 | 耐用年数(※) |
メリット | 懸念点 | (小さい子どもがいるご家庭への)おすすめ度 |
ウレタン塗装 | ◎(低~中価格帯) | 7~10年 | 食べこぼしや飲みこぼしに強い。ほぼメンテナンスフリー | 一度傷がついたら自身で修復できない | ◎◎◎◎◎(10年程度で買い替えできるならおすすめ) |
オイル塗装 | 〇(中~高価格帯) | 塗膜を貼らない塗装の為、家具本体の寿命に準じる | 天然由来の成分なので安心。修復可なので長く使える | 水や汚れはすぐ対処しないと跡が残りやすい | ◎◎◎◎(年1~3回メンテナンスができるならおすすめ) |
UV(紫外線)塗装 | △(高価格帯) | 10~20年 | 防汚・防菌性に優れる | 衝撃に弱い。傷がついたら自身での修復不可 | ◎(コスト高めでもかまわないならおすすめ) |
ポリエステル塗装 | △(高価格帯) | 10~20年 | 食べこぼしや飲みこぼしに強い。ほぼメンテナンスフリー | コスト高め | ◎(コスト高めでもかまわないならおすすめ) |
ラッカー塗装 | ◎(低~中価格帯) | 5~7年 | 傷が汚れが比較的つきにくい | 熱や水分に弱く、水シミが残りやすい | ◎(ウレタンほどの強度がなくてよいならおすすめ) |
ソープフィニッシュ仕上げ | 〇(中~高価格帯) | 塗膜を貼らない塗装の為、家具本体の寿命に準じる | 小さい傷なら簡単なメンテナンスで修復可。長く使える | 熱や傷に弱い。汚れやシミが目立ちやすい | ◎◎◎◎(年1回程度のメンテナンスができるならおすすめ) |
※耐用年数は使用方法や環境によって異なります
①ウレタン塗装(PU:ポリウレタン樹脂塗装)
プラスチック樹脂系のウレタン樹脂でコーティングした塗装。
木の素材感は感じにくく、つやつやした光沢感が出やすいのが特徴です(光沢を抑えたタイプもあり)。
メリット
- 乾燥などによる反りや割れを抑えやすく、傷や汚れがつきにくい
- 日常的なお手入れは不要。汚れたら水拭きができる
デメリット
- 熱に比較的強いが、熱い鍋などの直置きには弱い
- 一度傷がついたり、塗膜が剥がれたりした場合、自分で修理できない
②オイル塗装
天然植物由来のオイルを主原料にした塗料を、家具に浸透させたもの。
塗膜を張らないので木が呼吸でき、木目の美しさや木本来の風合いを楽しめます。
メリット
- 傷やへこみは紙やすりなどを使い、オイルを再度染み込ませることで修復可能
- 乾性油(亜麻仁油・クルミ油)など天然由来の成分を使用するので、子どものいる家庭でも安心
デメリット
- ウレタン塗装に比べると、傷や汚れ(特に油分のあるお菓子)が付きやすく、水や熱に弱い
- 濡れたものや高温のものを直置きすると、輪染みができやすい
③UV(紫外線)塗装
UV塗装天板のイメージ(pinterest)
紫外線を照射することにより、塗膜が硬化する樹脂塗料。
鏡面塗装のような美しい仕上がりで、他の塗料よりも高級感が高め。
メリット
- ウレタン塗装やポリエステル塗装よりも硬く、傷つきにくい
- 熱や薬品に強い
- 有機溶剤を放出しないため、環境にやさしく無臭
- 防汚・防菌・防カビ効果が高い
デメリット
- 硬いものや強い衝撃に弱く、傷が付いてしまうと自身での補修は難しい
- コストが高め
④ポリエステル塗装
ポリエステル系樹脂塗料を用いた塗装方法で、厚い塗膜をつくるのが特徴。
経年劣化による塗膜剥がれのリスクが少なく、光沢のある仕上がりに。
メリット
- 硬度が高く、汚れに強い
- 耐摩耗性、耐薬品性、耐水・耐湯性に優れる
- 対候性に優れ、直射日光や温度変化に強い
デメリット
- 厚みがあるので、柔軟性や密着性が低い
- コストが高い
⑤ラッカー塗装
樹脂をアルコールやシンナーなど揮発性の高い溶剤で溶かし、それを塗布することで塗膜を形成する方法。
木の質感を残しつつ、すべすべとした心地よい感触に仕上がります。
メリット
- オイル塗装やソープフィニッシュより、傷や汚れが付きにくい
- 定期的なメンテナンスは不要
デメリット
- ウレタン塗装ほどの強度はない。熱や水分に弱く、水がかかるとシミができやすい
- 太陽光にあたると変色しやすいので、直射日光が当たる場所には不向き
⑥ソープフィニッシュ仕上げ
北欧で誕生した手法で、石鹸の成分を染み込ませて木を保護する仕上げ。
淡く白っぽい色味と、さらっとした触り心地が特徴です。
メリット
- 木の地肌に近い風合いが楽しめる
- 小さい傷なら紙やすりで削り、石鹸水を使ってのメンテナンスが可能
デメリット
- オイル仕上げより、汚れやシミが目立ちやすい
- 塗膜が薄いため、熱や傷に弱い
目的別のオススメ塗装と具体的なお手入れ方法
小さい子どもがいる時期は「お手入れの楽さ」を考慮して選ぶのがおすすめ。
食事や子どもの遊びでテーブルが汚れても、掃除によるストレスが軽減されます。
万一テーブルが傷ついたら、子どもと一緒に直そうと考えているんだけど…
お手入れが楽な塗装2種類
第1位 ウレタン塗装
普段は、水(orお湯)拭き用の布で拭いたあと、乾拭き用布で拭くだけ。
1ヶ月~半年に一度、水で薄めた中性洗剤を使って拭くのがおすすめです。
注意ポイント
ウレタン塗装のダイニングテーブルで、子どもが鉛筆を使う際は注意!
鉛筆汚れを消しゴムで消そうとすると、曇りがかったような跡がつきやすくなります
第2位 UV(紫外線)塗装
ホコリや汚れが付いた場合は、水拭き用布で汚れを拭き取り、乾拭き用布で、水分を拭き取りましょう。
定期的なメンテナンスの必要はありません。
注意ポイント
こちらも鉛筆汚れを消しゴムを使って消すと、曇ったような跡がつきやすいのがネック
自身でメンテナンスができる塗装2種類
第1位 オイル塗装
日常的に水拭きをするなら「2~3か月に1度」、乾拭きなら「1年に1度」のお手入れを。
オイルの塗りなおしは、乾燥しやすい時期の手前となる秋頃(10~11月)がおすすめです。
傷が目立つときはサンドペーパーで削った後、クロスやハケを使ってオイルをテーブルに塗布しましょう。
注意ポイント
飲み物をこぼしたり、濡れた食器をそのまま放置したりすると、シミやひび割れの原因に…
一時的な汚れ防止策として「保護マット」を敷くと、日常的なお手入れが楽になります
第2位 ソープフィニッシュ仕上げ
普段は乾いた布を使って拭くだけで十分ですが、購入してすぐ~半年は、1~2週間に1回程度お手入れを。
最初は面倒ですが、徐々に石鹸の泡の膜でコーティングされ、水分や汚れをはじきやすくなります。
塗膜が定着してきたら、1回/1ヶ月、2~3回/1年と、メンテナンスの頻度を減らしていきましょう。
「純石鹸」(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの石鹸分が98%以上を占めるもの)、またはソープフィニッシュ仕上げの家具専用の「ソープフレーク」を使うのがおすすめです。
注意ポイント
オイル仕上げよりシミや汚れが目立ちやすいので、食べこぼしや飲みこぼし対策が必須!
ソープの塗膜が定着しないうちは、子ども専用に別の小さいテーブルを用意するのも一案です
この記事のまとめ
- 木製家具の塗装種類は、主に6種類ある
- ウレタン塗装は食べこぼしや飲みこぼしに強いが、傷がついたら自身で修復できない
- オイル塗装は定期的にお手入れをすれば20年以上使えるが、水ジミなどの跡が残りやすい
- UV(紫外線)塗装は防汚・防菌性に優れるが、傷がついたら自身での修復は不可
- ポリエステル塗装は食べこぼしや飲みこぼしに強いが、高価な家具が多い
- ラッカー塗装は傷が汚れがつきにくいが、ウレタンほどの強度はない
- ソープフィニッシュ仕上げは定期的なメンテナンスで長く使えるが、オイル仕上げよりもシミ跡や汚れが残りやすい
- お手入れの楽さを優先するなら「ウレタン」「UV」がおすすめ
- ひとつのテーブルを長く使うなら「オイル」「ソープフィニッシュ」がおすすめ
- 傷や汚れに強いのは「ウレタン」「UV」「ポリエステル」。そのうち最もコスパが良いのは「ウレタン塗装」です
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